(島村英紀さん 岩波ジュニア新書・780円) この国は国土全体がプレートが誕生するところ、つまり隆起した海底火山の頂上にある。このためユーラシアプレートと北米プレートに、引き裂かれ続けている。そうした地球の活動を説明するプレート・テクトニクスや、新しく出てきたプリューム・テクトニクスの理論を、分かりやすく説明した本だ。「自分の子供に話すように書きました」。理科でつまずいた大人にもありがたい。 北欧の歴史にも触れる。東西冷戦のころ、原潜銀座の北極海での観測は至難のことだった。「我々には国境も人種も関係ないのだけど」 著書は多く、日本科学読物賞なども受賞。その面白さからサイエンス・エンターテインメントと呼ぶ人もいる。「科学者には説明する義務があると思う」。地震予知についても「わからないことや難しいことも含めて見通しを説明し、研究の必要性をわかってもらう努力が必要」という。 観測は気象条件に左右される。お天気待ちのお供は本。お気に入りは別役実さん、出久根達郎さん、最近は阿川佐和子さんだそうだ。 =吉村千彰 |
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